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星の墓場

星矢再熱。腐です。逃げて! もはや脳内病気の残念賞。お友達募集中(∀`*ゞ)エヘヘ

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夏の海の、怖い話

 むっかし~むっかし~ウラシマは~♪
 助けた亀に連れられて~♪
 竜宮城に行ってみれば~……






「老人になっちゃったの!? なんでっ!? なんで!?」
「……なんでって言われても……そういう話なんだから、聞かれても困るよ」

 日本人とのハーフである弟弟子から、あるとき外国の昔話を聞いた。
 いじめられていた海亀を助けた心優しい若者が、老人になってしまうという手酷い時間の呪いをかけられてしまう、救いようのない物語だ。
 この物語を聞いたのは、ずいぶん昔のこと。
 弟弟子がやってきてからしばらく経ち、馴染んできた頃だった。
 眠れない夜は、互いの故郷に伝わる民話などを交代で話し合った。
 いつまでも起きていると師に叱られるので、ベッドにもぐりながらヒソヒソ声で話すのだ。
 そんな中で特に印象に残ったのが、このウラシマタローという悲しい男の話である。
 どうしてその話が引っかかったのか。
 きっと自分がそのウラシマタローと同じ運命を辿ることを暗示していたからに違いない。
 海に眠る母親の亡骸に会いに行こうとした弟弟子が溺れ、助けようとした俺だったが、弟弟子を陸へ返すのが精一杯で自分を救うことは出来なかった。
 凍てつく水の中、薄らぐ意識の中で見たものは……

(……クラーケン?)


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オペラ座の怪人:6

3,
 過剰なまでの自信。
 それを裏付ける実力と誰もが舌を巻くストイックさ。
 親しい者の側では歳相応に明るく無邪気な少年は、ひとたび戦場に立てば、生死を問う地獄の裁判官へと変貌する。
 蠍座を象る15の星をたどり、敵の身体を穿つ、必殺の毒牙。
 針の穴ほどの傷跡からは想像もつかないほどの激痛が全身を襲う。
 わずか数ミリにも満たない傷は、時間の経過と共に大きく口を開き、大量の血液を失わせる。
 気が狂わんばかりの痛みにただの一、二発で降伏する者がほとんどだ。
 よしんば何発かを耐えたところで、発狂して廃人になるのではないかと傍から見ていて思った。

(……うっわ。こいつぁ……)

 派手な爆発を起こすわけでもない一見地味なその技は、人間の精神を断ち折り、崩壊させる恐るべき技である。


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バレンタインちっす☆

「やあ、こんばんは! 覚えているかな、諸君? 私はかつてペガサス星矢の挑発に乗って、アテナの聖衣を取り上げようと彼をコキュートスから引き上げてボコられたハーピーのバレンタインだっ」

 冥界にある自分の部屋で。
 くるりと身を翻し、姿見に指を突きつけ、私は鏡の中から私を見つめている人物(つまり私だが)に向かって言った。
 ……フ。ちょっと自虐が過ぎたかな……?
 あれから考えたのだが、わざわざアテナの聖衣を取り上げなくても、ペガサスが持っていたのだから、そのまま放置していればそれで済んだのにな。
 フフ、私ったら、ウッカリさんっ☆ まるで少女漫画のヒロインだ。
 まぁいい。次はこうはいかないぞーう。
 ペガサスの奴、メッタメタのギッタギタにしてやるからな!
 まったく、ペガサスのクセにナマイキだ。
 次……といっても、聖戦後、三界同盟が結ばれてしまったから、その機会は当分巡ってきそうにないのだが。
 ラダンマティス様に私のカッコよい勇姿をお見せしたかったが、残念だ。


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お兄ちゃん、大暴走☆

 どうやら。
 弟があのコに惚れてしまったらしい。
 偶然を装って(……いるようだが、あからさまにしか思えない)あのコが通るところにやってきて、大した用もないのに雑談で引き止める。
 その間、片手が腰の辺りや肩の辺り、あるいは相手の手の辺りで迷子している。
 つまり、アレですか。
 腰に手をあてがいたいんですよね?
 肩に手を置いてみたいんですよね?
 手をつなぎたいんですよね?
 でも思い切れなくて、手がウロウロ彷徨って終わってしまうワケだ。
 ……ふぅ。なんとも情けない。

「ミロッ、ミロォ~! 好きだっ! 俺も愛してるぞっ」

 ヤツの部屋のドアを開けてみれば、なんか独りでサカッてるし。

「カノンよ。“も”じゃないだろう、“も”じゃ。正しくは……」
「ギャアア!? 何勝手にヒトん部屋侵入してんだよっ!?」
「ノックしたのに無視するからではないか」
「鍵かけてあったろが!?」
「ん? 鍵? ああ……」

 手の中の、ひしゃげたノブをその辺に放り投げた。


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