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星矢再熱。腐です。逃げて! もはや脳内病気の残念賞。お友達募集中(∀`*ゞ)エヘヘ
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目を閉じている間、こめかみに、頬に、口の脇に、耳たぶにとキスの雨が降ってくる。
予想外の展開に頭がついてこない。
精神的な混乱を鎮めようとするが、大きな手がシャツに忍び入ってきた途端、敢無く中断される。
「うわわっ、ダメだったら!! 待ってくれっ!!」
「暴れるな。……いい子だから」
胸の辺りをまさぐられ、落ち着く暇を与えてもらえない。
甘ったるい溜息と共に吐き出された言葉に眩暈を覚える。
「暴れるなってそんなの……ふあッ!?」
胸の突起を軽く引っかかれておかしな声が漏れてしまった。
じょ、冗談ではない!
まるで独立した生き物のように服の下を厭らしく這い回る手をつかみ、動きを阻止する。
「こっ、これは犯罪だぞ、わかっているか、カノン!?」
「お前が逃げるから仕方ない」
仕方なくない、なくないっ!
どういう理屈だ?!
「話合おう!」
無駄だと思いながらもそっと顔を覗き見るとカノンは何やら片手で自らのズボンのポケットを探っていた。
「……話し合いか? 俺の主張はただひとつ。“お前が欲しい”、これだけだ。お前が縦に首を振ってくれさえすれば、それで済む」
理屈にならない理屈を述べつつ、やがて取り出したのは、正方形をした平べったいビニール。
(……おい……ちょっと……待てよ。ソレ……)
(嘘だろう……? ソレ……お、俺に……俺に使うつもり……で……持ち歩いて……?)
理解した刹那、背中に戦慄が走り抜ける。
(あれは、)
……あれは、そう、ごく最近の記憶。
訓練後、擦り剥いた俺をカノンがハンカチを出して手当てしてくれようとした。
その際に一緒にポケットから出てきた落し物。
それが……今まさにカノンが手にした……避妊具……スキン……えー……あー……いわゆるその…………、コンドーム……。
まさか自分に使用されるための物とは露ほども思わない俺が、あちこちで女作って悪さしているのだろうとからかった。
あのときカノンは、
「それは誤解だぞ、ミロ。女なんか作ってやしない。遊んでたのは昔の話だ。もう完全に縁は切ってる。コレは……まぁ、その、なんだ。気になる奴ってのができてな。今度は本気なんだ。だから、もしチャンスがあれば……ホラ、モノにしたいだろ、男なら」
照れ臭い様子も見せずに軽い調子で言い、落としたそいつを素早く拾ってまたポケットにねじ込んだ。
(あのときの“気になる奴”って……)
当然、矢印が自分に向いているなどと想像だにしない俺は、カノンにそれほど想われてオチないコなんていないさ、と暢気に励ましを送っていたのである。
(……どんだけバカなんだよ、俺ッ!?)
カノンは、いつからそんな気持ちを抱いていたのだろう。
いつからそんな目で……?
そんな様子、全然なかったじゃないか。
確かに優しかったが、それはカノンの人間性であって……だから……
「ミロ」
現実に呼び戻されてびくりと身体が小さく跳ねた。
「そう脅えてくれるな。大丈夫だ。お前はただ、俺を受け入れればいい。……できるだけ、優しくするから」
とんでもない台詞を吐きながら、避妊具の入った袋を床に置くと再び覆いかぶさってきた。
服の上から押えられた片手を引っこ抜き、逆にこちらの手首をつかんでくる。
続いて避妊具を見たショックで固まっている俺の首にカノンの唇が吸い付く。
「う、わっ」
思わず強く目を閉じ首をすくめ、逃れるように身をよじるとふいにカノンの動きが止まった。
「……なんだ、“コレ”は……?」
先程までの、どこか甘く囁くような声から突然、硬度が増す。
夢から覚めて現実に戻った、……そんな急激な変化だった。
ふいに首にかかる髪を払われ、恐る恐る視線を上げてみれば、カノンは相変わらず俺を見下ろしている。
顔からは微妙に視線は外れており、どこを注視しているのかわからない。
ただその表情は凍りつき、声質と同じくどこか惚けたさっきまでの顔つきとは変わっていた。
「……ミロ。なんだ、コレは?」
「……?」
「何だと聞いているのだ、答えろ!!」
急な変貌と「コレ」の意味がわからずに瞬きを繰り返す俺の胸倉をカノンが乱暴につかむ。
「アクエリアスとは関係ないのではなかったのか!?」
「カミュ?! な、なんの話だ」
「とぼけるな、首の痕はなんだと聞いているッ! こんな痕をつけて、知りませんなどと……! ……くそっ、敵はアクエリアスだけではなかったのか……誰だ? 誰と……」
間近で弾けた怒声は途中から独り言へと変わり、俺が先を問う前につかまれたシャツが力任せに引き裂かれた。
ボタンがはじけ飛んで床を四方に跳ね回り、小さく乾いた音を立てる。
「う、嘘だろう……?」
もはや返る言葉はなかった。
豹変したカノンは、歯噛みする表情を見せた後、無言のまま俺の両足を抱えて浮かせ、あっという間に下着ごとパジャマのズボンを剥ぎ取ってしまった。
「……待てっ! 何を……っ!?」
頭がどうにかなってしまいそうな激しい羞恥心に襲われ、顔が、体が、熱を上げる。
晒された下半身を隠そうととっさに大腿に力を込め、足を閉じようとするが、間に相手の体が割り込んできてそれすら叶わない。
こちらの動揺などお構いなしのカノンは、既に熱を孕み膨張したそれを窮屈になったズボンの中から開放した。
自分の置かれた状況の、その生々しさに思わず息を呑む。
「…………お前が……誰を好こうと……俺は……」
カノンの視線が床の上を滑る。
その先にあるのは、先ほどの避妊具だった。
見つめている。
黙って、まだ見つめている。
何を考えているのかわからないが、今が最後のチャンスだと思った。
なるべく気を引かないようにそろりと床に両肘をつき、上半身を持ち上げる。
一気に蹴飛ばして身体を離すんだ。それで、すぐに体勢を立て直して別の部屋に逃げ込む。……と、そこまでをイメージして足を動かそうとしたまさにそのとき、彼は小さく首を振った。
「俺を……感じて欲しい」
言うや否や、素早く俺の両足をつかんで胸の方まで引き上げ折りたたんだ。
俺は体勢を立て直すどころか再び床に打ち付けられ、咳き込む。
秘所にぬるりとしたものを塗りたくられ、息を詰まらせる。
床に放り投げられたそれは軟膏のチューブ。
ぬめりの正体だ。
「そんなものまで……っ、い……っ!? 痛つぅっ!!」
抗議の言葉が飛び出す前に、問答無用の鋭い痛みが身体を突き抜けた。
下から、……ねじ込まれたのである。
「痛い、痛い、痛いっ!!!」
“痛い”などという単語は少なくとも10年以上は口にしていないはずが。
殴られる痛みとは種類の違う、体内に他人が侵入してくるという得体の知れぬ痛覚に耐え切れず、思わず叫んでしまう。
「いっ、嫌だ、カノンッ!!」
「……すまない、ミロ」
謝罪を口にしながらその目はいびつに笑っていた。
口元が卑屈に歪み、瞳には狂喜の色が滲んでいた。
その表情に俺は絶望を見出す。
コイツは、おかしい。
休むことなく、ゆっくりと。
しかし確実にカノン自身が中に割り入ってくる。
「……ふっ、あっ、はっ、……うっく」
もはや痛いと言葉を形成する余裕さえなくなった。
屈辱を感じる心すら置き忘れ、酸素を求めて乱れた呼吸を繰り返す。
頭の芯がぼんやりと痺れてきた頃、カノンが言った。
「ミロ、判るか? 全部、入ったぞ?」
痛みを感じる最初の部分を越えた後は楽になったものの、腹に圧迫感があった。
挿入された部分が拡がり、引きつっているのが感覚としてある。
あんなに膨張したものが入るなんて。
自分の中に入っているなんて……
大きく息を吐き出すと共にぐったり全身の力が抜けてゆく。
「……痛かったな、悪かった。だが、お前がいけないんだぞ? 他のヤツに身体を許したりするから」
いつの間にか頬を濡らしていた涙を舌で掬い取られる。
「……てない………そんなこと……」
誰の話だ。
誰が身体を許したと?
こんな酷い目に合わされたのは、これが初めてだ。そう何度もあってたまるか。
「嘘はダメだな。首に証拠がある」
「首……?」
そういえば、さっきもそんなことを?
一体、首に何があるというんだ。
「お前はこれから……俺だけを感じていればよい」
顔に掛かった髪を払われ、その指が唇をなぞってゆく。
続けて喰いつくような激しい口付けを受ける。
そうしながら両腕は俺の背と腰に回され、律動が始まった。
「あっ、待っ……」
塗りたくられた軟膏が体温で溶け出して、クチャクチャと淫猥な音を立て始める。
「あっ、あっ……ああっ」
中で擦れるたびに勝手に声が口をついて出てしまう。
「……やっ、は、あっ」
「遠慮するな。もっと……もっと声を上げろ。……お前の、声が聞きたい」
カノンが言ったとき、重なるようにしてドアを叩く音、そして。
「ミロ? いますか? 具合悪いって聞いて……大丈夫ですか?!」
瞬間、全身の血が凍る思いがした。
友人の愛弟子、氷河がどうやってか俺の不調を知って訪ねてきたのだ。
とっさにドアの鍵に考えがいって、吐きたくなった。
ほとんどかけたことなんてないではないか!
カノンにも開いているから勝手に入って来いと自分で言ったばかりだ。
なんたること!
男に犯されているだけでも信じがたいのに、それを人に見られる?!
それも、よく見知った顔に!?
「ミロ? ……入りますよ?」
ダメだ!!
叫ぼうとして、カノンの手に口を塞がれた。
「鍵の心配なら無用だ。さぁ、続きを愉しもう?」
ノック音に気をとられて止まっていた律動が再び始まる。
ガチャガチャとレバーハンドルを上下に動かす音が俺を心底震え上がらせ、もはや生きた心地がしない。
なのにカノンはそれすら楽しんでいるかのような笑みを浮かべて、行為を続行している。
自身の快楽を追って時々、甘いため息と共に俺の名を呼ぶ。
内側から与えられる刺激に耐えるため、噛み締めていた唇から血の味がした。
くそ。なんで。
なんでこんなことになっているんだ?!
誰ともなく何度も問いかけた疑問がまた浮かんでは消える。
両腕をクロスさせて顔を覆えていることだけが、せめてもの慰めだった。