早朝から、老師こと天秤座の黄金聖闘士・ライブラの童虎様が私の宮の出入り口付近で何かを探しているようだった。
「おや、老師。おはようございます。何か探し物ですか?」
老眼鏡かな?
眼鏡なら頭の上に……などとお約束を言いたいところだが、今の老師は老師にあらず。
中身はともかく、外見上は18歳の老師……言うなれば若師?なのである。
「おお。良い所に来てくれた。ムウよ。ワシのアレを見かけなかったか?」
「アレ……といいますと?」
「アレじゃ、アレ」
「……はぁ」
……脳みそもちゃんと若くなっているのでしょうね?!
アレだのソレだのと連呼する老師に、私は少々心配になった。
「あの~……久しぶりにシオンと戦ってヤンチャしちゃったときに脱いだアレじゃよ」
「ヤ……ヤンチャ……ですか」
「お。おお、思い出したぞ。……ワシの皮!」
……エ?!
今、なんと?
「確かこの辺で脱いだ記憶が……」
「あ、あの……ソレをどうしてお探しに?」
怖くなったが、聞かないままというのもまた怖い。
恐る恐る尋ねると……