一年、一年、成長していく俺の体。
一年、一年、遠くなっていく、お前との年齢と身長。
一年、一年、近くなっていく、貴方との年齢と身長。
一年、一年、遠くなっていく、二人がいた幸せの日々。
俺は、今年、20歳。
兄弟同然に育ったお前は、14歳のままで時を止めてしまったのに。
強くて優しくて……清廉潔白だったお前。
俺は何一つとっても敵わなかったものだから、お前の誕生日が来る一ヶ月弱の間だけ自分の方が兄さんなんだと主張して威張ってた。
年の終わりにいつも柱に成長の記録を残した。
互いに抜いたり、抜かれたり。
いつもどっちが勝っても差は1cmで。
体重までほとんど変わりない。
まるで双子みたいだって、師が笑ったよな。
少しでも勝ちが欲しくて、無理にパンを頬張ったりして。
些細なことでも何でも競ったな。
本当にくだらない事まで、全部、全部。
でも互いの手を合わせて大きさを比べたときに、お前は残念そうに苦笑いして言ったな。
“きっと、最終的には氷河の方が大きくなっちゃうんだろうな。”