眠いです;
ムニャムニャしながら書いたので、文章が日本語になっていなかったらスミマセン(爆)
明日、読み直して意味不明なところは手直しします;
とりあえず、載せるだけ載せておきます。
ほとんど話進んでいませんが;
大好きな例の人を出せたので、満足ザンス。
勝敗は常に顔で決まるそうです。
例の夢は平和を実感する頃になって、表れ始めた。
最初はぽつんと黒い沼地に立っているだけだった。
不安が掻き立てられる、黒と灰色だけで構成された、色味のない夢。
それから俺が殺した身近な人たちが登場するようになる。
手が届きそうで届かない位置に我が師カミュと兄弟子アイザックが倒れており、徐々に泥に飲まれてゆく。
呼んでも叫んでも二人は一向に目を覚ます気配はなく、手を伸ばしても助けることができない。
二人が沈んでいくのをただ見ているだけの辛さといったら……。
涙を流しながら叫び続けていると、やんわりと手をにぎられた。
「氷河。氷河。何を泣いているの? 大丈夫よ、氷河。心配ないわ。ただの夢よ。忘れてしまいなさい」
懐かしいマーマの声が悪夢から開放してくれる。
ハッとして目を開ければ、マーマ自体ももちろん夢で現実に手を握ってくれていたのは、同居人のミロだった。
台詞だって大違い。
「氷河。オイ、氷河。うるさいぞ。何を寝ぼけているんだ。性質の悪い夢でも見たんだろうが、そんなん、とっとと忘れてしまえ」
最初はまだこの程度で済んでいたのだが、内容はどんどん酷くなる。
カミュとアイザックを自分が愉しみながら殺しているのを眺めている夢。
マーマが助けを呼んでいて、俺はもうキグナスの聖闘士で助けられるだけの力があるはずなのに動けない。
視線を下ろすと凍傷で腐りかけた無数の手が俺の足に絡みついている。
こんなような夢を週に2、3回は見るのだ。
「本当にどうしたんだ、氷河? 悩み事でもあるのか?」
何度もミロが心配して相談に乗ってくれようとしたけど、まさか話せるわけもない。
カミュとアイザックを何度も殺し、マーマを何度も見捨てる夢なんて。
きっと。
きっと、ミロに軽蔑されてしまう。
やがて夢の中の沼に、ヘドロで形を成した三つの影が出来上がる。
三柱の女神エリーニュスたちの登場だ。
彼女らは回りながら、口々に罪をあげつらい、俺を苛む。
彼女らを蹴散らそうと夢の中でダイヤモンドダストを放ち、現実では側に寝ていたミロにぶちまけたりして、怒らせること、十数回……。
とうとう、精神科に連行されてしまった。
「あーあ。聖闘士が精神科か……情けない。キミは聖戦を勝利に導いた勇者だろう? そんなヤワなことでどうする」
「俺はどこも悪くないって言っているのに、貴方が連れてきたんじゃないですかっ!」
帰りに連れて行ってもらった小さなレストランで言い合う。
「あっ、そうだ。一輝に幻魔拳でも打ってもらったらどうだ? ショック療法で治るかも」
「幻魔拳!? 無茶言わないで下さい! ったく……医者はトラウマとかストレスとか言ってたじゃないですか。もっと俺に優しくするところじゃないんですかねっ!?」
それが夢を見始めて半年くらい経った頃の出来事。
以来、睡眠薬と精神安定剤が手放せない。
ミロの言うとおり、こんなことでアクエリアスになれるのか。
あの聖衣だけは、他人に奪われたくない。
カミュが着た聖衣は、俺が引き継ぎたい。
この状況から抜け出さねばと焦りが募る。
聖戦が終結を迎えて早4年。
当時、14だった俺は18になっていた。
聖戦を辛くも勝利に導き、地上とアテナを守り抜き、尚且つ生き残った伝説の聖闘士として称えられた俺たちだが、すぐに最高位を与えられることはなかった。
常に格上との戦いを強いられ、実戦の中で磨かれて、青銅ながら白銀を寄せ付けないほどの強さを身につけたが、実のところ、黄金には未だ歯が立たないのだった。
確かにサガの乱では天と地もある実力差を引っ繰り返すという奇跡をやってのけたのだが……
しかしそれは、所詮は青銅と見くびられ軽んじられ、そこに隙を見出すことができたからに過ぎない。
そして真のアテナであった沙織さんからの加護もあったと思う。
彼らがもう少しの注意を払い、油断をしなければ、俺たちは早い段階で全滅していたに違いない。
その後も海皇、冥王との戦いにも勝利を収めてきたが、全ては守りたいもののために一瞬の奇跡を起こせた結果だ。
これらの結果を見ても自分の中には大いなる資質が眠っているのは感じられる。
だが、奇跡ではダメなのだ。
黄金聖闘士たちはいついかなるときも、本気になれば実力の100%を自在に引き出すことができる。
残念ながら俺はまだ、その域に達していない。
ピンチのときにようやく火事場の馬鹿力が出せる程度では、まだ道のりは遠い。
のびしろがあるといえば聞こえはいいが、要するに未熟、ということだ。
続く悪夢に疲れているのが影響しているのかわからないが、聖闘士としても伸び悩んでおり、ますます焦りは強くなるばかりだ。
「勝敗は常に顔で決まるザンス~♪」
「ば、ばかな……!? この俺が、毒蛇ごときに敗れるなんて……」
スランプに陥り、明らかに格下と思っていた者にまで練習試合で負けて心身共にボロボロになった俺を気遣ってくれるのは、やはり師の親友であるその人だ。
「うーわー、みっともハズカシーな、氷河ァ~。超カッコワル。地獄でカミュが泣いてるぞ」
……とかなんとか、口は相変わらず悪いのだけれど。
「…………。そうだなぁ。ずいぶん煮詰まっているようだし、ぷらっと旅行でも行ってきたらどうだ? 親しい人間でも誘って」
「……旅行」
俺が呟くとミロは頷いた。
「せっかく平和になったのだし、たまにはいいんじゃないのか」